六回一死から4番ヘルトンをカウント2−0から四球で歩かせた。続くアトキンズにもボール4つ。すべて直球だった。そして、マウンドに来たフランコナ監督にボールを奪われた。「点差(6−0)もあったし、代えられるとは思わなかった」と悔やんだが、直球勝負へのこだわりに“プライド”が感じられた。
ワールドシリーズ制覇に王手をかける活躍は、マウンドだけではなかった。三回に3点を奪い、なお二死満塁で打席に立った。フォッグの初球をたたいた打球は三遊間を抜ける2点適時打となり、敵地クアーズ・フィールドの観客席からため息が漏れた。
ナ・リーグとの交流戦では4打数無安打に終わったが、大舞台でメジャー初安打が飛び出した。フランコナ監督は「まさか打点を挙げる投手だとは思わなかった」と絶賛。敵将のハードル監督は「松坂の適時打が敗因だ」とうなだれた。
ウイニングボールは観戦に訪れた両親にプレゼントするという。「プレッシャーはリーグ優勝決定シリーズ第7戦の方があった。きょうは楽しみました」と話すと、やっと笑みがこぼれた。歴史に刻んだ初勝利は永遠に残る。まずはそれでいい。(清水満)
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