騒動の沈静化を目的とした亀田家の謝罪会見が、結果的に「火に油」の状況になったことを受けて、事態は新たな段階を迎えた。
大毅と史郎氏が17日に開いた謝罪会見について、金平会長はこの日、「ほとんどの方々が謝罪と見ていない。この業界で将来もやっていくなら、けじめをつけないと。謝罪会見をやるか、(ボクシング界から)身を引くか、です」。
謝罪会見のやり直しを拒否すれば解雇を通告し、大毅、長男・興毅(20)=協栄=は国内で“廃業”に追い込まれることまで言及。会見に兄弟の同席までは強制しないが、何らかのかたちで謝罪することも求めた。この日、都内の協栄ジムでは所属するWBA世界フライ級王者・坂田健史(27)のスパーリングが公開された。ジムの入り口には、これまで坂田と並んで張られていた亀田兄弟の試合ポスターが、はがされていた。テレビのワイドショー、週刊誌までが詰め掛ける異様な雰囲気が漂い、金平会長の言動に注目が集まった。
大毅は11日に行われたWBC世界フライ級タイトルマッチで、王者・内藤大助(33)=宮田=に挑戦し、悪質な反則行為を繰り返した。試合途中にはセコンドについた史郎氏が「玉打ってええから」などと反則行為を促したことも表面化。JBCから下された処分は史郎氏がセコンドライセンスの無期限停止など厳罰が科された。

処分だけでは収まらない。17日に史郎氏、大毅が同席して都内のJBCで行った会見では、大毅の反則行為、それを促したとされる史郎氏らの行為に、具体的な謝罪の言葉がなかったことで再び火の手があがった。
頭を丸刈りにして姿をみせた大毅は一言も発しないまま、退席。史郎氏はテレビ中継の音声に残っている反則を促した事実に「言うてません」「どうとらえようと、そっちの自由」と認めずに、にらみ返す場面も。“偽装謝罪”として糾弾する声は、社会問題にまで発展した。
金平会長もオーナーライセンスの停止処分を受けた。プロモーターライセンスを同時に保有する同会長は、興行開催に支障はないが、東日本ボクシング協会副会長(現在辞表を提出)の要職にあって、協栄ジムに対する強い風当たりを実感。改めて謝罪会見をしなければ、亀田家がボクシング界で活動することは不可能と判断したのだ。
22日には、史郎氏が処分を受けた15日に大阪市内のオールジム(津川勝代表代行)へ電話をかけて「相談がある」と打診していたことが発覚。両者ともに移籍話については否定したが、こうした水面下での動きに、金平会長は「業界の常識ではやってはいけないこと」と強い不快感を示した。全国のジムオーナーらで組織する日本プロボクシング協会の会員からも「会見は謝罪になっていない」と不満がくすぶる。上部団体が抱く“亀田アレルギー”によって、現段階での移籍はきわめて困難で解雇は廃業へ直結する。
協栄ジムでは、亀田兄弟が都内にプライベートジムを構えて独自に練習している現状に、“閉鎖”も求めている。金平会長は「出された条件をクリアできない場合は、すべての可能性を否定しません」。史郎氏が首を横に振れば、一家の前から活動の場が消滅する。







